神奈川地域資料保全ネットワーク

神奈川地域資料保全ネットワーク(神奈川資料ネット)のブログです。ご案内等を掲載していきます。

5/3写真追加掲載:「大磯の展示をみてきました。」(事務局・多和田による参加記)

4月20日、大磯町郷土資料館で開催中の特別展
「大磯の災害 −かつてこの地で起きたこと−」の見学会を開催しました。
ご解説くださった、同展担当学芸員の大石様、
またご参加いただいた皆様に改めて御礼申し上げます。

神奈川資料ネット運営委員の多和田による参加記を、既にメーリングリストに配信いたしましたが、
ブログにも掲載いたします。

*展示につきましては、下記URLをご覧ください。
http://www.town.oiso.kanagawa.jp/bunka_sports/bunka/kyodosiryokan/kikakuten/kikakuten/1364967765114.html


*5/3に、会場写真を掲載しました(資料館と写っている方の許可は得ています)

    • -

「大磯の展示をみてきました。」


4月20日(土)、大磯町郷土資料館で開催されている特別展「大磯の災害―かつてこの地で起きたこと―」を見学してきました。見学会は神奈川資料ネットと神奈川地域史研究会の共催で行われ、大石三紗子学芸員に展示の解説をしていただきました。

展示はおもに、大磯でかつて起こった地震(とくに関東大震災)、風水害、富士山の噴火にかんするものでした。私自身、これまで大磯の災害についてのイメージは必ずしも具体的ではなく、関東大震災ではさぞ津波の被害が大きかったのだろう、富士山宝永噴火の災害もすごかったのだろう、…ぐらいのイメージを持つだけで、あとのことは恥ずかしながらまったく知らない始末でした。

今回の展示を通じて意外だったのは、関東大震災では必ずしも津波の被害は大きくなかったこと、むしろ海底がおおきく露出したことです。もちろん揺れによる被害は相当ひどく、それにまつわる資料も多く展示されていました。

また、風水害といえば、大正6年に高潮が発生して大きな被害をもたらしたことなど、考えたこともありませんでした。大石さんによると、このことは地元でも現在知らない人が多くなっているとのこと。とくに東日本大震災以後、どうしても地震に目がいってしまいがちになりますが、こうした地域ごとの多様な災害についてもっと目配りをしていく必要があることにあらためて気づかされました。

今回の展示では多くの文字資料(行政簿冊・日記など)が展示されていました。その多くは現時点では未翻刻だと思われます。この点は大磯に限らず、どこの地域でも大体同じだと思います。こうした災害にかんする史料をこれから多く翻刻し、その中身を広く地域のみなさんに知っていただくことが、今後来るであろう災害に備えていくうえでいかに重要かということを痛感することができました。

なお手前味噌ですが、大磯町郷土資料館と神奈川資料ネットの共催によるパネル展示についても、郷土資料館のみなさんの御尽力により、かなり見やすいものになっていたと思います。企画展示室内の上記の展示と廊下のパネル展示、私自身は中身がよく連動していたと思います。会期の残りわずかですが、まだ御覧になっていないかたは合わせて御見学いただければと思います。

最後になりましたが、大石さんはじめ郷土資料館のみなさん、どうもありがとうございました。

多和田 雅保
(神奈川資料ネット事務局・横浜国立大学

    • -