2014年開催のシンポジウムが本になりました。
2014年8月に神奈川資料ネットはシンポジウム「地域と人びとをささえる資料―文字資料から自然史資料まで―」を開催しました。
「地域と人びとをささえる資料」は神奈川資料ネットが2011年7月の設立からの3年間にわたる活動の中で、
関わっていきたい資料の範囲を示す言葉として導き出したことばです。
「地域資料」を考えていく際に、いずれかの学術領域の進展に資するものだけが資料なのではなく、
一人ひとりの活動や、生きた証であることを再度認識し、
それぞれの身近にある資料を、自らの手で守っていくことをささえるネットワークでありたいとの思いを込めました。
さまざまな資料に対応するには、神奈川資料ネットはささやかな組織ですが、
いろいろな組織と連携させていただき、資料保全の一助を担えるようになっていきたいと考えております。
当日は、地域の資料を利用して研究をされている大門正克氏と
市民として資料に向き合い地域の歴史を叙述した経験をお持ちの横松佐智子氏、
そして被災した、地域のアイデンティティを示す自然史資料を保全する作業を行った山本真土氏に報告をしていただき、
また、参加いただいた方の地域資料との向き合い方を伺い、地域と人びとをささえる資料について考えました。
当日の記録と、シンポジウムに参加してくださった方々にご寄稿いただき、
このたび「地域と人びとをささえる資料――古文書からプランクトンまで」を勉誠出版から刊行することになりました。
以下、刊行情報です。
詳細は、勉誠出版ウェブサイト
http://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&cPath=1&products_id=100611
をごらんください。表紙写真等もご覧いただけます。
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タイトル : 『地域と人びとをささえる資料――古文書からプランクトンまで』
編 者 : 神奈川地域資料保全ネットワーク
出 版 社 : 勉誠出版
価 格 : 3,780円 (本体3,500円)
刊行年月 : 2016年5月
目 次 :
序 言(田中史生)
第一部 地域と人びとをささえる資料―文字資料から自然史資料まで
資料ネットの方向を問い直す(多和田雅保)
人びとの「生存」を支える資料と歴史―3・11後の東北でのフォーラムの経験から(大門正克)
『かまくらの女性史』と地域資料―編さん作業十年の過程から(横松佐智子)
博物館自然史資料の重要性―文化財レスキューの経験から(山本真土)
【討論】地域資料を考える
第二部 地域資料と対話する
海洋生物資料と地域社会(菊池知彦)
地域における学校史料(多和田真理子)
鈴木重雄への旅(松岡弘之)
気仙沼大島漁協資料の保全と漁協文庫の建設(窪田涼子)
千葉資料救済ネットの現状と課題(小田真裕)
新聞社と地域資料(平松晃一)
神奈川県立図書館の地域資料(水品左千子)
アーカイブズと地域社会―寒川文書館におけるレファレンスの事例から(高木秀彰)
地域でいきる「ネットワーク」をめざして―神奈川資料ネットの活動から(宇野淳子)
今を未来に伝えるために―地域資料を守るとは?(林貴史)
あとがき(浅野充)
執筆者一覧
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寄稿してくださった皆様や
編集を担当してくださった吉田祐輔さまをはじめとする、勉誠出版のみなさま、
そして設立以来、神奈川資料ネットをささえてくださった皆様に心より御礼申し上げます。